asagao’s blog

日記と雑記、読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ9

ヴィルフォール
良心の呵責。

「それは、時をおいて人の心を打ち叩き、昔の行為を思い出させては責めさいなみ、骨に徹するような痛みをだんだん深くへ喰いこませて、遂には死にまで到らせる」※1

暫し、自身の良心の呵責に苦悶するヴィルフォール

この時ルネの一言が、または、メルセデスの哀願があったとしたら、ヴィルフォールは思いとどまる事が出来ただろうに、無情にも馬車の準備が整い出発の時が来てしまう。

自分自身、悪と理解した上で行う悪事。

それは、「決して閉じることのない傷口」※2
とも例えられている。

栄華を手にした後も、心のなか深くに沈殿した後悔は、ある時さっと舞い上がり心の全てを闇色におおい尽くす。

良心の呵責は人を「遂には死にまで到らせる」もの。

他人を騙すことは出来ても、自分自身を騙すことは 出来ない。

故に、自分自身に正直に生き、自分自身に恥じない生き方を選ぶ事が、実は困難なようで、最も心に平安をもたらすものなのだ。


※1 ※2共にアレクサンドル・デュマ作、山内義雄訳、「モンテ・クリスト伯一」