asagao’s blog

日記と雑記、読書メモは個人的感想でネタバレ含みます。

モンテ・クリスト伯 読書メモ25

モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)

モンテ・クリスト伯〈3〉 (岩波文庫)


残虐この上ない刑罰。

断頭台での死刑執行。


モンテ・クリスト伯は白い歯を見せ笑う。


なにも知らないアルベール、不穏な空気を感じるフランツ。

刑の執行が近づくにつれ、二人は蒼白になる。

見たくないと拒むフランツを無理矢理引きすえ、なおかつ手を取り、見なさいと強要するモンテ・クリスト伯

自分の怒りを押し付けるように、復讐をするから待っていろと言わんばかりに死刑の執行を見せつける。


罪人は死にたくないと暴れまわった末に、断頭台に乗せられた。
首切り役人に棍棒で殴られる。
首にナイフを突き刺され、腹の上に首切り役人が飛び乗る度に血が吹き出す。



フランツは失神、アルベールは目を閉じたまま立ちすくむ。

私の復讐はこんなものではないと、言わんばかりのモンテ・クリスト伯は、悪鬼の如く勝ち誇り二人を見ている。




フランツ達との会話の中で、モンテ・クリスト伯は人間を罵倒した。ここが面白い。

狂気にも似た人間に対する絶望、苛立ち、侮蔑、そして、激しい怒り。

これらの激しい感情が、最後に高笑いとなって空間に投げ出される。

これは、この世界の底を見た人間なら共感できるだろう。



人間ほど信じられないものはない、動物以下だ。

少なくとも動物は、裏切らない。

人間は、自分と仲間が共に苦境にあるとき、もし仲間だけが助かる事になったとしたら、何を第一に叫ぶか。


それは、「呪詛です。人間に栄光あれ!」※1


この後の高笑いはインパクトがある。


完全に人間の優しさを捨て去った、復讐の為にのみ生きるモンテ・クリスト伯の不気味さが際立つ。


※1アレクサンドル・デュマ作、山内義雄訳、モンテ・クリスト伯三、岩波書店